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低圧縮よ、さようなら −番外編−その1
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パンヘッドのオイル漏れ

 エボに数年、パンは手に入れてからはもう10年近くが経つ。

 私のところに来てすいぶん時間の経ったパンは海の塩害のせいもあるのか以前より外装がずいぶんと色褪せて年季がさらに入ったことを別にすれば相変わらず調子よく走ってくれるが、走行距離が約5万キロに達したタイミングを境にいろんなところに劣化によるガタが出てきた。
 その最たるものがいろんな箇所からのオイル漏れだ。滲むというよりも結構派手に漏れている箇所があるというのが実情に近い。

 エアクリーナーを外しあちこちを目視すると、純正リンカートキャブのストレーナーやボウルのあたりにはオイルが垂れている線がいくつも見える。これらキャブのコルクのガスケットは即交換だ。
 デュオグライドの特徴のひとつであるシリンダーヘッドの外側に取りまわされたオイルラインの留め位置からもまだ漏れがひどくなっていた。ここは半年前にも一回ガスケットを交換したのだが起こりやすい個所なのかまたすぐに漏れ再発である、ヤレヤレ。

 詳しい人のアドバイスでは、この箇所はエンジン熱でどんどんガスケットが硬化していくので、その分を時々締め込まないと漏れの原因になるのだそうだ。
 マニホールドのOリングもヨレヨレでここから二次エアを吸っていた。エアを吸っているかどうかはエンジンを始動してマニホールドのジョイント部分にパーツクリーナーを吹きかければすぐ分かる。
 吹いた時にアイドリングが変化すればそれはクロだ。マフラーからのアフターファイヤーや、キャブの息つきに悩んでいる人は一度試す価値があるだろう。

 長く乗り続けていると試行錯誤するうちに自分なりのメンテナンスのスタイルが決まっているが、当初のショップにお任せ状態から徐々に自前で作業することが多くなり、今はハーフビルド的な手法で愛車と付き合う方法に落ち着いた。

 ハーフビルドは家を建てる作業を建築主と工務店が作業分担して行うようなやり方などを意味するが、バイクの場合も同じように自分自身が主体となってメンテナンスを行い、必要最低限な機能をショップに提供してもらうやり方のことだ。

 すべてお任せで自身は走ることに専念することもひとつのやり方だとは思うが、時間の許す限りできるところは自分で仕上げていくハーフビルドはコストを抑えられるというメリットだけでなく、自分自身がマシンに深く関われるという利点がある。 これはとても大切なポイントだと思う。
 故障するとユニット毎にまるごとアセンブリ交換することが多くなり、セッティングには計測機器が必須になってきたツインカムを個人でどこまでいじれるかについては難しいとこだが、どんな車両でも自分の手を汚して面倒を見てあげることで得られるものはかなり多く、そしてハーレーライフを豊かにしてくれる。

 ただハーレーの構造についての深い知識と経験は一朝一夕に得られるものではなく、メンテナンス・ブックなどを参考にしながら分解し、そして組みなおしたりということを繰り返しながら実践によるトライ&エラーを重ねていくしかない。
 旧車の世界はメンテナンスの自由度だけは非常に高いので、例えばミッションだけを外してショップに持ち込み、オーバー・ホールしてもらったあとは自分で組むくらいのハーフビルダーは私の周りにもたくさんいる。

 直接、内燃機屋にボーリングを依頼するというツワモノのフルビルダーにやってしまう人もいるが、共通して言えるのはいい修理屋を知っていて、それとうまく付き合っているということだ。
 ハーレーショップは大きく分けるといくつかのカテゴリに分類できる。いわゆる新車主体のディーラー、カスタムが中心の店、そして修理を専門とする店だ。

 修理屋は個人などで商売をしているところが多いのでメディアへの露出もなく地味な存在だが、当然腕はピカイチなので人づてに口コミで評判が広がり、知る人ぞ知るような紹介でないと受けてくれない人気修理屋もあるので、自分で徹底的にいじりたい人は詳しい人に聞いてみるといい。
 オイル漏れの対策を各所に施し、スプロケットやクラッチハブなどの部品や各種ガスケットの交換、点火時期などのセッティングの見直しを経てひとまず私のパンは完調を取り戻したようだ。

 勉強のために最近買い足したメンテナンスブックには、"Chrome don't gecha home.(クロムパーツじゃ家には帰れない)"とキャッチコピーがデカデカとあったが、まったくそのとおりだ。メンテ道に終わりはない、いつか路上で立ち尽くさないためにも。


(クラブハーレー2008年6月号に掲載)




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